手術症例の解説
患者さんにとってできれば切りたくないと思うのはもっともなことです。
切らなくてよいのか?切開が必要なのか?ということはそれを決める条件が多すぎて一言で決められませんが、わかりやすいように大まかに説明しようと思います。
この症例は他院での手術後の写真です。➡ で示したラインは幅広の無理があるラインなのではっきりと出ていません。そこで、➡のはっきりしないラインの幅を狭くして埋没法で二重を安定させたケースです。
この方の場合、もどりにくさを決める7つの要因は以下の通りでした。
1 もどるリスクはあるが埋没法を希望
2 くぼみはあるが比較的軽度
3 瞼は厚くない
4 希望する二重幅は広くない
5 末広型を希望(目頭からは出ないライン)
6 睫毛の上に余った皮膚はない
7 それほどトロントはしていない(軽度の眼瞼下垂はある)
カウンセリングでの診断・相談の結果、埋没法で比較的ラインは長く維持されると判断したため埋没法の手術となりました。
診察ではいつも以下ような判断基準に基づいて、切開するかどうかの選択肢を考えていきます。
切開が必要かどうかの判断基準は 7項目
1 もどらない二重を希望するかどうか
2 くぼみがあるかどうか
3 瞼が厚いかどうか
4 希望する二重の幅
5 希望する二重のライン(目頭近くから出るラインかどうか)
6 睫毛の上に余った皮膚があるか
7 眠そうな目(眼瞼下垂)があるか
おおまかな判断基準の要素が、上記のように7つあるとすれば、
最小限でも128種類の目のタイプがあるのでどうしても
一言で切る切らないかを決められないのです。
いろいろな症例写真が美容外科クリニックのホームページにありますが、ご自分の目にはほとんど当てはまらないのはこういった理由からです。
携帯に理想の写真があり、こんな目にしたいと言われて来院される方があり、それはカウンセリングでとても参考になるので、その理想にできる限り近づけることは可能です。
一言で簡単に切るか切らないかを判断するのは、診察しかありません。
診察時には、1年以内にもとにもどりそうであれば、何らかの皮膚を切開する施術を強く勧めるでしょう。
何年も二重のラインが維持されそうであれば、「おそらく切らない埋没法で〇〇年くらいいけそうですが埋没には限界があり、やはり戻ることがあります。」のようにはっきりとカウンセリング時に説明するでしょう。
最低でも128種類の目のタイプの中から自分にそっくりな1症例をインターネットで見つけるのは至難の業です。
やはり二重の手術に関しては診察を受けた後、よく相談して納得してから手術という流れになるとお考え下さい。
手術解説 | 2023.10.08
他院での上腕の脂肪吸引
下の写真は、他院で上腕(二の腕)の脂肪吸引を受けた後の状態です。
この写真を見てスッキリしていると思いますか?
上腕の上部にポッコリとしたふくらみが残っているのがわかります。
他院で上腕(二の腕)の脂肪吸引やスマートリポ(レーザー)を受けられた後に、修正手術を希望される患者様で最も多いご相談が、手術を受けても上腕外側のポッコリとしたふくらみに変化がなく、脂肪が残っているので改善させたいというものです。
他院施術後
どうすれば上腕がスッキリ見えるのか?
上腕の下方が多少スッキリとしたくらいで満足する人はほとんどいません。誰もが一番望むことは、ノースリーブを着た時に目立つ肩の外側から後ろにかけて(上腕上部)のふくらみを取り、見た目を細くさせたいということだと思います。
他院での元々のカウンセリング時に、上腕上部から肩にかけてのふくらみは取れないと言われた、ということを多く耳にします。そのため上腕の下方の狭い範囲(下図の赤で示した部分)のみの施術を受けている方がほとんどです。
上腕がスッキリとするためには、下図の赤で囲んだ範囲以外に、青で囲んだ上腕上部の脂肪を取ることが必要です。
施術部位の違い
手術後の傷跡
手術後に気になることは、やはり術後の傷跡でしょう。
傷跡は初回手術で決まり、大きく残ってしまった傷跡は傷跡修正手術を行っても改善には限度があります。下図(左)にある傷跡の部位であれば施術がとても行いやすいという術者にとっての利点があります。しかし施術を受ける方にとって、この部位でこれだけ目立つ左右対称の傷跡は、ノースリーブを着た時にかなり気になるのではと思います。
下図(右)の写真は当院での傷跡です。傷跡は術後3ヶ月ですが、数mmのもので非常に目立たず、かつ見えにくい脇の下にあるのでわからないと思います。
脂肪吸引の修正手術
下の写真は、他院で行った上腕の脂肪吸引術後(左)と当院で行ったその修正術後(右)の写真です。
最も気になる部分が改善しているのがわかります。
どうして初回手術でスッキリしなかったのか?
他院で上腕の上部を施術しない理由は主に2つあります。
1つは上腕上部には脂肪も確かにありますが繊維質が非常に多いので、柔らかい脂肪のみの部位と比べて、脂肪吸引やスマートリポ(レーザー)の効果を出すことがとても難しいことです。この部位は脂肪吸引が難しいので、手術ができないと担当医から説明を受けたという方がとても多いのです。
もう1つの理由は、施術範囲が広くなるので費用が高くなるためです。
上腕の脂肪吸引の修正手術を行うたびに思うことがあります。本当は1回の施術で済むものを修正を含み2回も手術を行えば、結局割高の手術になってしまい患者様の負担が増えてしまう!ということです。
まとめ
当院での上腕の脂肪吸引は、最も気になるシルエットを改善することを一番に考え、可能な限り広範囲に上腕の脂肪吸引を行います。
上腕外側の脂肪吸引は、確かに手間もかかるし手術がやりづらいことは事実です。通常の脂肪吸引の2倍ほど時間はかかりますが、たるみやデコボコのようなトラブルもありません。この部位を取って初めてノースリーブを着た時にすっきりとしたシルエットが得られます。
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手術解説 | 2016.02.05