このコーナーでは、崇高な倫理観をもち美容外科医として最先端の研究と世界最高峰の医療技術を目指しているリッツ美容外科のドクター陣が、普段見ることができない素顔をほんの少し垣間見せて語りかけます。
きれいなものであればどんなものでも、絵画であれ写真であれ心を和ませてくれます。毎日の生活の中で、私たちはあまり食器には気を遣わずに過ごしていま す。先日食事に出かけた時に、備前焼で落ち着いた色の器に少しだけ盛り付けられた刺身が目の前に出され、刺身の横には大根と人参でつくったちょっとした飾 りつけがさりげなくのせられていました。箸を出すのがもったいないと感じましたが、実は食器と食材との調和に目を取られて一瞬の間だけ時間が止まっていた のでした。和食に従事している板前さんも、私の目を楽しませてくれる職人なのだと思ってしまいました。丹精こめて作った料理に、ある種のさりげない技を感 じた時とても嬉しいと感じ、何となく心が豊かになったような気持ちになりました。誰でもまずいものよりもおいしいものがいいのに決まっています。また味付 けの好みだけは、人によっても全く異なり、ある人がいくら美味しいと思っても、別の人にとってはそれほど好みの味でないようなこともまれにあるかもしれま せん。そんな時、その人の好みを聞いてその人の好みに合ったような、微妙な匙加減ができればこれほど完璧なことはないでしょう。
私の仕事は、美容外科という極めて特殊な分野の医療です。そこにはもちろん感性も必要ですし、何よりもきれいなものを作ることに対する思い入れも大切で しょう。特に来院される方が何を最も望んでいるのかを的確に把握することが、最終的に満足するかどうかの鍵になっていると思います。最高級の食材を使って も料理人によっては、できあがった料理は全く違ったものになってしまいます。それ以上に、美容外科の手術は手術を担当する医師によって、その仕上がりには かなりの差がでてしまうことも事実です。1つの手術に多くの時間を費やすことが必ずしも良いわけではありませんが、よりよい仕上がりを目指せば目指すほど 多くの時間を必要とします。
最近では、豊胸術の1つとしてヒアルロン酸の1種でSUB−Qと いう注入法もあります。注入する医師による技術的な極端に大きな差は手術ほどはありませんが、ある程度の仕上がりの差は生じます。手軽な注射なので優れた 方法だと私も思っています。注入する量によっても異なりますが徐々に吸収されて、平均1年から2年で元に戻っていきます。手軽にできることに価値があると 思う方には優れた方法ですが、ほぼ同じだけ費用がかかるのであれば、ずっときれいな胸でありたいと思う方もいると思います。そのような方には、SUB−Qの注入よりもコヒーシブシリコンといった人工乳腺による豊胸術のほうが、価値があるはずです。人それぞれの好みや希望そして予算もあるわけですから、より綺麗になるために、その方に適した治療方法を選択することは当然最も大切なことでしょう。
美容外科の治療においていかによい結果を出すかは、適切な治療方針を立てることです。しかし、実はそこからが本当に大切なことになります。いかによい結 果が得られるかどうかは、担当医の腕にかかっています。旧友とたまに会って話をする時に、私は医師ではなくて、医学を学んだ職人だと話します。ただ、職人 と少し異なることは、美容外科の分野の技術には経験に基づいた理論があります。しっかりとした理論を持っていれば、さらなる技術の向上が望めます。最近で は美容外科に関する様々な情報が飛びかい、その情報は正しいこともあれば全く誤ったことも数多くあります。やはり、カウンセリングを受けてその担当医が話 したことが、最も確かな情報でしょう。健康保険がきく一般医療と異なり、美容外科の分野では、どこで受けても手術の結果は同じではありません。優れた担当 医選びのコツとして、当たり前のことかもしれませんが、担当医と十分に話しをし、また治療の説明をしっかりと聞くことです。その話の中に確実に信頼できる と心から感じるものがあり、何かが伝わってくるのであれば、その時には迷わずその担当医に手術なり治療なりを任せるのがよいでしょう。